

映像業界でNDI(ネットワーク・デバイス・インターフェース)とはTricasterで有名なNewTekの提唱するIPネットワークで映像、音声をやり取りする仕掛けです。非破壊検査(ひはかいけんさ、NDI、英: non destructive inspectionではありません。従来のように同軸ケーブルでのSDI接続や、HDMIケーブルでの接続ではなくLANケーブルで繋げていく信号の約束事のことです。すでにピンと来る人は可能性を感じる事でしょうが、ネットワーク内部のことで、目に見えにくいことから苦手だと感じる人も多いようです。実は今までも様々なメーカーから独自のIP伝送の機能は発表されてきているのですが、独自のシステムの中での提供、高価格です。その中で基本的にはライセンスフリーで普及を進めているのがNDIなのです。ここでは、NDIで実現する機能と、可能となる拡張性について見ていきましょう。まず専用のアプリとしてNewtekのNDI.tvから提供されたのは、2017年の事。現在ではVizrtグループのブランドとなったNDIは当初は対応するシステムもTricaster以外には実験的なアプリ(カラーバーなど映像のテスト信号発生ソフト、NDIのモニターソフト)など無償のNDItools提供からスタートしたのです。機能拡張のプラグインがさまざまな映像アプリ内へ取り入れ始めた最近では、スタンダードなIP伝送方式として定着してきました。Windows用とMacOS用に用意されているNDI toolsではありますが、その開発元が微妙に違うために名称やインターフェースなどが多少異なっています。ご覧のようにWindows用の方がネットワーク周りの管理ソフトが充実しているのがわかります。実際の使用するマシンの性能にもよりますが、Windowsの環境の方が素直な印象です。パソコンによって用途が決まってくると思いますが、ネットワークの中で複数の機器が使えるNDIなので両方のOSの使えると便利です。NDIは、NewTekが提供するTriCasterや3Playなどのシステムでサポートされているが、これらシステムのユーザー以外でもNewTekが提供するNDI対応ソフトウェアを入手すれば、NDIを体験することが可能だ。機能別に主なアプリを見てみようNDI信号の生成TestPatternsカラーバーをはじめ、基準音の発生など、ネットワーク内のさまざまなテストに有効です。画面を選択するだけでNDIで出力される静止画像を切り替えていく事ができます。

最近になってiPhoneでもテストパターンのアプリが登場して便利に使えます。

Tipsとして、任意の画像を追加取り込みができるので、簡易な静止画ポン出しに使うこともできます。しかも透過情報であるアルファキーの付いた画像では、TricasterなどのスイッチャーでNDI信号だけでテロップのポン出しとして合成することもできます。
パソコンの画面共有NDI Screen Capture

パソコン内で起動すると、接続されているモニターの数だけNDI経由で任意の画面を受け取る事ができます。
従来ではスキャンコンバーターでパソコンモニターの画面信号を放送仕様に変換する必要のある工程だ。
最近ではHDMI出力ができるパソコンがあるが、ケーブルの接続などの煩雑さがある。ネットワークにつながるパソコンであれば別室にあっても画面をNDIだけで接続できるので重宝します。
映像の確認
NDI Studio Monitor

その名のとおりNDI信号のモニター表示をするアプリです。
ネットワーク内で流れている全てのNDI信号を選んで表示できます。
従来のビデオ信号ならルーティングスイッチャーなどの設備がないと各ソースの確認は難しいものですが、NDIではビデオケーブルの配線、分配、切り替えを必要としない柔軟さがあります。

tipsとして、最近のWindowsアプリのモニターでは、複数画面を起動する事が出来て簡単にマルチ画面を作れますが、Macのアプリでは一つの画面しか開く事ができませんでした。そんな時に、アプリ本体をコピー&ペーストして必要数増やして同時に起動する事でマルチ画面を作る事が出来ます。
パソコンのビデオクラスとして取込む
NDI webcam input (Virtual input)

パソコンのOSで提供される映像、音声の選択肢としてNDIを利用する事ができます。これによってノートパソコン付属のwebcamのようにNDIの信号を利用してzoomなどの会議システムにスイッチングアウトのような演出された合成映像を送る事ができます。スマホをNDIカメラにするこれはスマホのアプリとして提供されています。WiFi経由で手元のスマホをNDIにカメラ信号を送るだけでなく、iPhoneの画面も送る事ができます。さらに同時発話、受話できるインカムのアプリも登場しています。一時期はiOSのアプリしか無い時期もあったが、現在はAndroidアプリも販売しています。

NDIもHXという高圧縮で通信の帯域を節約したものも登場したので、WiFiの通信環境で利用できるようになってきました。ただしノーマルのNDIはライセンスフリーで開発できるのに対して、HXはライセンス料が発生するので、今のところは製品に活用されているものは少ない。スマホのアプリが有償になってきたのもその理由によるところが大きい。
サードパーティアプリの拡張既存の映像アプリでNDIを扱えるようにアップグレードで機能拡張したり、プラグインで拡張する事もできます。
Adbe Premiere ProAdbe AfterEffects

NDItoolsの標準プラグインで最終映像をNDIに出力する事ができます。
秀逸なのは透過情報をアルファキーとしてNDIに乗せられるので、従来ではフィル、キーの2本の信号線を必要とするテロップ機能がLANケーブル1本で実現する事だろう。筆者の現場でもeSportsなどの細かなテロップ出しにPremiereやAfterEffectsを使用する事が多いです。
VLC

動画再生プレーヤーとして有名なフリーソフトの再生出力をNDIに出力できます。通常パソコン画面で動画を再生して、その画面をスイッチャーなどで取り込もうとすると再生ボタンなどのナビケーションアイコンが数秒間残ってしまって画面として使い辛い事が多いが、NDIで出力した画面はクリアーな状態で取り込むことができる。
その他zoom Rooms、Teamsなどのリモート画面の個別出力


発言者の画面をピン留めする必要もなく、個別のNDI画面でリモート先単独の画面を取得することができます。
OBS

エンコーダーソフトでもNDIを単独の入力として認識したり、最終出力先としてNDIに出力をすることができます。
vMix

入力ソースとしてNDIを利用できます。最終出力先としてNDIに出力をすることができます。
TOUCHDESIGNER

NDIの入力、出力共にサポートしています。続々とNDI対応のアプリケーションは増えています。さて、まずは無償のNDI toolsをダウンロードして複数のパソコンやスマホにインストールしてみよう。ここで特徴の一つであるマルチキャストを味わってみよう。従来のビデオ信号ならモニターを増やす時には信号の分配をする必要がある。基本は1対1の信号接続だからだ。しかし、NDIは1対nの接続となるので、同一ネットワークにあれば、幾多のモニターを置くことも可能になる。つまり、分配器や、ルーティングスイッチャーが不要になるのだ。

さらに、特徴の2つめ、最近ではPoE(パワーオンイーサネット)対応機種の充実で電源もLANケーブルから送れるので、NDIコンバーターなど現場の配線が劇的にシンプルになります。

特徴の3つめ、ネットワークで接続しているのでPTZカメラのコントロール、タリー信号などを標準で扱えるようになっている。

その他にも仕様では、GPIや、DMX、MIDIなどの信号も重装できるようになっている。

現在、筆者の知る限りでは機能を搭載した商用のシステムは存在しないように思う。もしご存知の方がいたら教えていただきたい。
尾上泰夫
DreamCraf
VideoLife123

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