AV over IPの世界における重要な標準規格「AES67」について、その誕生背景から他プロトコルとの関係性、そしてメリット・デメリットを詳しくご紹介します。IPネットワークを通じた音声伝送の未来を形作るこの技術について理解を深めていきましょう。
映像・音声のIP伝送、いわゆる「AV over IP」の波は、現在の設備設計において100%避けては通れない技術要素となっている。私はテクニカルディレクターとして、またATEM Mini認定トレーナーとして、日々10点以上のハードウェアを組み合わせた高品質なシステム構築を指導しているが、現場でエンジニアが必ず直面するのが「メーカー間の互換性」という1つの巨大な壁だ。

君も、例えば「Dante対応製品は市場に2,500種類以上存在するが、それ以外の独自プロトコルを採用した機器とどう接続すべきか」という課題に、120分以上の時間を費やした経験はないだろうか。
そこで重要となるのが、2013年にオーディオ・エンジニアリング・ソサエティ(AES)によって公開されたオープンな標準規格「AES67」だ。これは特定のベンダーに依存しない「1本の共通言語」として、異なるプロトコル間を繋ぐ「1つの架け橋」の役割を果たす。

本記事では、AES67がどのような背景で誕生し、これからのAV over IPにおいてどのような10年を形作っていくのか、その核心を解説する。この記事を読み終える頃には、君のシステム設計における選択肢は200%以上に広がり、特定のベンダーロックインから解放された自由な設計が可能になるはずだ。
AES67がなぜ「救世主」と呼ばれているのか、その成り立ちと役割の整理から始めていこう。


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