商業案件ではない、僕の友人の話。
幼いころ亡くなった友のお父さんが残した数枚の写真を、お好きだった曲に合わせて家族のメッセージをテロップに添え、一本の動画にした。
編集室で、職人だったお父さんの仕事をしている厳しい顔、巧の手、結婚式の笑顔、新居を構えたうれしそうな父と母、そして生まれた友人、抱きかかえられ、ほおずりするクシャクシャな笑顔。何度も見つめ、涙で画面が見えなくなることもあった。
完成した動画を友人の家族で見た時、誰も言葉を発しなかった。ただ、皆が静かに泣いていた。
動画は、時間を超えて、愛する人を連れてきてくれるタイムカプセルだ。
僕の最高の作品は、誰にも見せない、この一本だと確信している。

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