新郎からの依頼は、「父へのサプライズ動画」。
ただ、新郎と父親は10年以上、まともに会話がない状態。
「父は口下手で、僕も素直になれなくて。でも、感謝は伝えたいんです」
使える素材は、新郎が幼い頃のホームビデオ数本だけ。
その映像の中に、不器用ながらも新郎を愛する父親の姿が、何度も映り込んでいました。
運動会で人知れず涙を拭う姿。
誕生日に照れながらプレゼントを渡す姿。
動画のナレーションは、新郎の「父さん、ありがとう」の一言だけにしました。
披露宴当日、動画が終わった瞬間、会場は静寂に包まれました。
そして、新郎の父が立ち上がり、新郎を抱きしめた。
マイクを通さない、小さな「ありがとう」が聞こえた気がしました。
動画は、言葉にならない想いを、時を超えて届けるラブレターです。

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