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放送用ドローンFPVカメラマン育成(試案)

2026 2/17
動画の学校 映像 通信
2026-02-17
目次

「飛ばせる免許」と「放送現場に入れる資格」は、別物だ


◆ 2026年、アルプスで起きていること

ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピック。
選手と並走するカメラが、斜面を這うように映像を刻む。

高度1〜3メートル。推定対地速度は時速80〜120キロメートル。

これはFPVドローンだ。
(FPV=First Person View。操縦者がゴーグルを装着し、
機体に乗り込んだ視点で操縦する方式。
映像制作の現場では「一人称視点ドローン」とも呼ばれる)

オランダのFPVチーム「Dutch Drone Gods」が実装しているのは、
単なる「空中カメラ」ではない。
Dronewatch EuropeやNewscastStudioが2025年に相次いで報じたように、
この機体は公式ホストブロードキャスターが管理するシステム機材として
放送インフラに組み込まれている。

ヘリコプターでは不可能な高度。
クレーンでは届かない速度。
固定カメラでは描けない「一筆書きの軌跡」。

「観戦」ではなく「体験」を映像に変える時代が、
すでに始まっている。

画像

◆ 日本には、まだ、これを”仕事にできる人”がほとんどいない

ここで現実を直視してほしい。

国土交通省の公表データ(2024年3月末時点)によれば、
日本国内の無人航空機登録機体数は約42万機。
国家資格である一等・二等無人航空機操縦士の有資格者は2万3,000人を超えた。

資格保有者は確実に増えている。
しかし、放送現場が必要としている人材は、別の軸で評価される。

放送グレードのドローン運用には、
操縦技術・法的許認可・映像伝送設計の3軸が同時に要求される。

この3軸を揃えた実務者は、
業界関係者の経験則ベースでは国内に100〜200名程度と推定される。
(根拠:日本映像制作者連盟加盟社数・放送局の外部ドローン調達実績から逆算した試算値)

有資格者2万3,000人に対して、
放送現場で即戦力となる人材が200名以下とすれば、
充足率は1%以下という計算になる。

需要はある。人材がいない。
これが2026年現時点の日本の現状だ。

画像

◆ 「飛ばせる」だけでは、放送現場に入れない理由

ここが多くの操縦士が見落としているポイントだ。

画像

日本の航空法は2022年12月の改正により、
ドローン運用の法的要件が大幅に強化された。
国家資格制度・機体認証制度・登録申請システム(DIPS2.0)が整備され、
「飛ばせる免許を持っているかどうか」の基準は法律で明文化された。

しかも放送現場には、航空法の上にさらに2つの法体系が重なる。

電波法だ。

FPVドローンの操縦信号・映像伝送には無線設備が使われる。
この無線設備を日本国内で運用するためには、
電波法に基づく無線局免許、あるいは技術基準適合証明(技適)の取得が必要になる。

さらに、プロの放送現場では、
スタジアム・競技会場・中継エリア内での周波数使用について
主催者・放送局・総務省と調整した周波数割り当てを受けなければ、
電波干渉を起こして他の無線機器に支障を与えるリスクがある。

これは違反すれば電波法第4条違反(不法開設)に問われる問題であり、
「うっかりミス」では済まない。

航空法で飛行許可を取り、
電波法で無線局の適法性を確保し、
放送局の制作基準に適合した映像品質を担保する。

この3層構造をクリアして初めて、
「放送現場に入れるドローンカメラマン」の名乗りが許される。


◆ IP伝送への関心は、正しい直感だ

あなたがIP伝送に注目し始めているなら、
その感覚を大切にしてほしい。

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FPVドローンが「飛行機材」ではなく「放送システム」として扱われる理由は、
映像信号の伝送経路にある。

機体が撮影した映像をリアルタイムで中継車に届け、
さらに放送センターへ安定して送り続けるためには、
低遅延・冗長化・周波数管理を統合した伝送設計が不可欠だ。

これはまさに、IP伝送の世界で日常的に議論されている問題そのものだ。

「空を飛ぶIPカメラ」として捉え直したとき、
ドローンカメラマンに必要なスキルマップは一変する。


◆ この記事で学べること

本記事は、映像制作・IP伝送に関わるプロフェッショナルが
「放送ドローンカメラマン」として日本国内で適法に活動し、
実際の放送現場で即戦力となるための体系的なロードマップを提供する。

画像

有料部分では以下を解説する。

日本の航空法・電波法に基づいた許認可の取得ルートを
法的根拠とともに整理した上で、
放送グレードの映像伝送に必要な設計思想と実装手順、
そして安全運用を担保するフェイルセーフ設計まで、
段階を踏んで展開する。

さらに、このスキルを日本国内のキャリアにどう接続するかという
実務的なロードマップも示す。

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技術と法律。操縦と伝送。演出と安全。
この全てを一つの体系として理解したとき、
あなたは「飛ばせる人」から
「放送を作れる人」 へと進化する。


有料部分へ続く

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