〜ATEM Mini Extremeで9レイヤー合成を使いこなす〜
はじめに:その画面構成、本当に実現できているか
講演会のライブ配信を担当している。パワーポイントを大きく映し、右下に演者の顔をPinP(ピクチャー・イン・ピクチャー)で配置したい。シンプルな要望のはずだ。
ところがATEM Miniでこれをやろうとすると、すぐに限界にぶつかる。
従来のATEM Miniシリーズでは、DVE(デジタルビデオエフェクト)でサイズ変更できる素材はアップストリームキーの1素材のみだった。つまり、パワーポイントを自由なサイズで配置して、さらに演者用のPinPを追加するという、たった2素材の画面構成すら不可能だったのだ。

この制約に悩んだ配信者は決して少なくない。

2021年にATEM Mini Extremeが登場したとき、上位機種だけに搭載されていた「スーパーソース」という機能がMiniシリーズに初めて降りてきた。この機能を使えば、最大9レイヤーの多重合成が可能になる。
9レイヤー。
バックグラウンド1層、ボックス4層、アップストリームキー4層。これだけの素材を同時に画面に配置できる時代が、コンパクトなスイッチャーで実現したのだ。
スーパーソースとは何か
スーパーソースを一言で表現するなら「多重合成を簡単に実現するボックス機能」だ。

TriCasterを使ったことがある人なら、ME(ミックスエフェクト)の概念に近いと言えばピンとくるだろう。複数のDVEを同時に活用できる「ボックス」という単位に、好きな入力素材を割り当てるだけで、複雑なマルチ画面が完成する。
従来のATEM Miniでできた画面構成を思い出してほしい。
- 背景にフルスクリーンの映像を1つ
- その上にPinPを1つ
これが限界だった。
スーパーソースを搭載したATEM Mini Extremeでは、構成が根本から変わる。
- アートレイヤー(背景):1層
- ボックスレイヤー:4層
- アップストリームキー:4層

合計9層。従来の4.5倍のレイヤー数だ(計算根拠:従来2層→現在9層、9÷2=4.5倍)。
しかも、このうち7層でDVE(サイズ・位置変更)が機能する。7素材を自由なサイズで自由な位置に配置できるということだ。
この記事で手に入るもの
本記事では、スーパーソースを実務で使いこなすための具体的なレシピを解説する。

- ボックスの基本操作と画面配置の考え方
- 複数のレイアウトパターンをワンタッチで切り替えるマクロの設定方法
- サードパーティツールを活用した効率的なレイアウト制作
- ISO収録時のメディア選定基準(実測データに基づく)
「スーパーソースがあるのは知っているが、触ったことがない」
「触ってみたが、設定項目が多くて挫折した」
「現場でレイアウトをサッと切り替えたいが、手作業では間に合わない」
そんな悩みを持つ配信者に向けて、現場で即実践できる手順を余すところなく伝える。

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