URSA Broadcast G2から
Raspberry Pi 5のフィールドリレーボックス2台で TailscaleVPN使って Starlink を挟み込む
10G IPv6のスタジオでSRTを
ATEM Television Studio HD8 ISOへ
スタジオは動かさない。2台のリレーボックスが現場とスタジオを繋ぐ。


映像制作の現場にいる人なら、一度はこう思ったことがあるはずだ。「スタジオの機材を一切動かさずに、現場の映像をIPv6の10Gインターネットにつながるスタジオで受け取れたら」と。
その発想を実現するには、今回提案する2台の小さな箱が便利だ。
手軽に衛星接続のインターネットが利用できるだからこそ。
一台は現場に持っていく「フィールドリレーボックス」。もう一台はスタジオに常設する「スタジオリレーボックス」。この2台がTailscaleというメッシュ型VPNで繋がり、URSA Broadcast G2のSRT映像をスタジオのATEM Television Studio HD8 ISOへ届ける。ポートフォワーディングも固定グローバルIPもIT部門への申請も、何一つ不要だ。

この構成を「挟み込み型」と呼ぶ。映像信号は現場のリレーボックスに入り、Tailscaleのトンネルを通過し、スタジオのリレーボックスを経てスイッチャーに到達する。それぞれのリレーボックスが、自分の側のLAN(Starlink LANとスタジオLAN)とTailscaleトンネルの橋渡し役を担う。
よく「Tailscaleのサブネットルーター機能で一台のリレーボックスでいける」という説明を見かける。構造的には成立するが、それはスタジオ側リレーボックスがスタジオLAN全体をTailscaleネットワークへ公開するという設計だ。映像制作の現場では、スタジオLAN全体を仮想ネットワークへ広告することにセキュリティ上の懸念が生じることがある。2台の挟み込み構成では、スタジオリレーボックスはTailscaleネットワーク上でのみ動作する明示的な中継点として機能し、スタジオLANへの不要な経路広告を必要としない。設計がシンプルで障害の切り分けも明確になる。

有料部分では以下の8チャプターで、2台のRaspberry Pi 5を使った挟み込み構成の完全な構築手順を解説している。

- Chapter 1:システム全体像と信号フローの正確な設計
- Chapter 2:TailscaleのP2P接続の仕組みと2ノード構成の設計思想
- Chapter 3:フィールドリレーボックス(Pi 5 #1 )の完全構築手順
- Chapter 4:スタジオリレーボックス(Pi 5 #2 )の完全構築手順
- Chapter 5:Starlinkの現場設置と帯域設計
- Chapter 6:URSA Broadcast G2のSRT設定
- Chapter 7:ATEM Television Studio HD8 ISOの受信設定
- Chapter 8:本番前チェックリスト・KPI・障害対応
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